title="ATOM" href="http://yoru.kakuren-bo.com/ATOM/"> LARMES 勲章 忍者ブログ
この管理人の小説用ブログです。男同士の同性愛的要素で展開されておりますので嫌悪感を感じる方、男性の方は入室をご遠慮下さい。また当サイトは原作者様・製作関係者様とは一切関係ありません。
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ある部活の日のこと。
今日もテニスコートにボールの音が響く。
今日は正レギュラー同士の試合が開催されていた。
ダブルスの試合が終わり、今はシングルスの試合が行われている。
もうかれこれ一時間、跡部と忍足が試合をしている。

千の技を持つ男と呼ばれる忍足も、さすがの跡部には適わない。

「お前その程度か、アーン?」

「これでも全力出してるつもりなんやけど・・・」

結果は6-2
自分のサービスゲームを落としたのは痛い。

「やっぱり跡部には適わんわ。」

汗で湿った髪を掻き揚げて、跡部を見る。

「アーン?テキトーな事言ってんじゃねぇ。」

跡部は水を飲みながら、いかにも「理解できない」というような顔をする。

「せやかて、差は漠然や。」

跡部はそう言った俺に、タオルを渡して、

「一心不乱に足掻いてみろよ。俺のように。」

と言ってニヤリと笑って見せた。




次の日、忍足は未だに跡部の言葉を引きずっていた。

『一心不乱に足掻いてみろよ。―――俺のように。』


「意味分からんわ。」

伸びてきた前髪を掻き揚げてため息を吐く。

いつも余裕ぶっている跡部が、”足掻いている”?
どういうことだ。
多分一生分からないと思っていた。
あの光景を見るまでは・・・。



放課後、忍足は委員会の会議をしていて遅くまで残っていた。

「そろそろ帰らんとな。」

その時、ある音がした。

「何でや?部活はとっくに終わってるはずやで。」

すっかり日が暮れたテニスコートに響くボールの弾む音。
テニスコートを覗くと、汗だくでサーブを打つ跡部の姿があった。
すごく必死でコートに置いてある缶に的確にボールを打ち込む。
跡部の周りには何十ものボールが転がっていた。

『足掻いてみろよ』

昨日言われた言葉が甦る。
その答えが、これだったんだ。

勝つことが当たり前だと思われて信頼されてきた跡部。
たくさんの人々の期待はものすごいプレッシャーになっていただろう。
跡部は生まれながらの天才ではない。
では、何故今まで勝ち続けてきたのか。

「努力・・・やんなぁ。」

そう呟いて、忍足もテニスコートに入った。


「お疲れさん。いつから打ってたん?」

跡部は一度こちらを向いて、目を見開いた。

「なんでお前がいるんだよ。・・・彼女か?」

「彼女なんて居らんし。委員会で残ってただけや。」

一瞬驚いたのもつかの間。
すぐにもとの顔に戻って「そうか」と呟いた。


「俺と打たへん?今日部活してへんから物足りないねん。」

「あぁ。」

ラケットを取り出して、コートに転がっているボールを集める。
全部をかごに入れると、試合が始まった。

「跡部のサーブからでええよ。」

「フン、余裕かましてんじゃねーよ。」

得意げに笑った跡部は、陽が落ちているはずなのに輝いて見えた。
試合も終わり、時計は7時を指している。
サービスゲームは死守したものの、6セットとられて負けてしまった。

「跡部の言ってたこと、分かった気がすんねん。」

部室でシャワーを浴びながら、着替えている跡部に話しかける。

「何のことだ?」

跡部が腕をシャツに通す様を磨りガラス越しに見る。

「足掻いてみろっって言うてたやん?それが全然分からんかった。」

跡部の手が止まる。

「いつも余裕かましてて、試合が始まる前も終わった後も、満足そうな顔してた跡部やん。それこそ、勝つのが当たり前で負けたところなんて見たことあらへん。そんなお前が足掻いてるなんて信じられへんかった。」

シャワーのコックを閉めて、磨りガラスの戸を開ける。
跡部はシャツに手を通したまま、ボタンを留めずに話を聞いていた。

「せやけど、今日跡部が遅くまでサーブ打ってんの見て、漸く分かったんや。跡部がずっと負けへんかったのも、全部努力なんやって。生まれながらの天才やないねんな。」

跡部はボタンを全部留めて、ネクタイを締めていた。
心なしか顔が赤く見える。

「俺も天才とかくせ者とか言われとるけど、跡部には適わんし。俺も足掻いてみるわ。」


忍足は跡部に近づいて、目を合わせた。


「忍足・・・?」

「おおきにな、跡部。もっと練習して跡部に追いついて見せるわ。」

それをいった途端に、跡部の顔が真っ赤になった。

「え、?どないしたん跡部?あ、まさか照れてるんとちゃう?」

「うるせぇ照れてねぇ!!それとお前一回謝りやがれ!」

「え!?」

「俺様を”お前”呼ばわりしやがって!」

「わ”ー!すまんて!破滅への輪踊曲は勘弁して!」

「破滅への輪踊曲!!」



いつも独りで頑張っている君に輝く全国一の勲章を与えるために
君の隣に立てるように努力する。
いつか君が僕に頼ってくれるまで。



(顔が近いんだよ馬鹿!)
(どないしたん跡部?)




end

______________________
久々の更新ですね。
ボ●ロの『一心不乱』という歌を聴いて跡部の台詞が思い浮かんだのでそのまま一発書き。
久々に長いのを書いたなと(短編の中でも)思っています。
これは地区大会の前の話です。でも雰囲気的に季節感は冬です←
地区大会が終わったらもう二人は・・・(^ω^)
忍足には景ちゃんなう!を全力で歌ってほしいと思います\(^o^)/

2011.03.20.               夜

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