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dadly or psychological...
「跡部が倒れた!?」
部活が始まる前、監督に突然言われた一言で氷帝のテニス部レギュラー陣は驚きの色に包まれた。
「どういうことですか監督!!」
「跡部はこの数日、男子生徒から暴行を受けていたらしい。精神にも相当キている。お前達、跡部を守ってやってくれ。」
「跡部が…暴行…?」
「どうして……」
突然のことでよく回らない頭を動かして、今すべきことを考える。
「監督!跡部はどこですか?」
「跡部は今、保健室で休養中だ。」
「ありがとうございます!」
「行くで!」
「おう!!」
正レギュラーと準レギュラーは急いで、跡部のいる保健室へと向かった。
保健室に着いて扉を開ける。
みんなの切羽詰まったような表情に、保健の先生はいち早く気づいた。
「あぁ、跡部君ね。そこのベッドで寝てるけど、気をつけてね。」
「気をつけるって何を?」
「跡部君、体だけじゃなくて心の方にも傷を負ってる。まだ落ち着いてなくて、あなたたちのことも警戒すると思うの。」
先生の説明はとても分かりやすかった。
しかし、理解出来なかった。
「跡部君はそこの左側のベッドよ。」
先生が指したベッドは、カーテンで四方を仕切られていた。
向日がそのカーテンを開けた。
跡部はすやすやと寝息を立てて寝ている。
跡部の顔にはたくさんの傷があり、口元にはわずかに血の跡が付いていた。
「跡部…」
忍足が名前を呼ぶ。
「ん……」
跡部は少し身じろぎ、うっすらと目を開けた。
「起きたか?」
「お前ら…」
跡部の瞳には、俺達は映っていなかった。
「迷惑をかけたな。明日はちゃんと部活にも出るから、心配すんな。」
そう言って笑ってみせた。
その笑顔がとても痛々しくて、見ているのが辛かった。
「なぁ跡部、ずっと受けてたんだろ?何で俺達に言ってくれなかったんだよ。」
宍戸は、今にも泣きそうだったが、涙を我慢して優しく質問した。
「お前らに迷惑をかけたくなかった。俺のためにみんなが時間を割くのは嫌だった。ごめん。」
いつも絶対に謝ることが無い跡部が、正直に謝ったことで、すごく弱っているとみんなが確信した。
―――――――ガラッ
突然保健室の扉が開いて人が入って来た。
「遅くなってごめんね~跡部。この滝萩ノ介が来たからにはもう大丈夫!」
「萩ノ介!」
「滝!?」
「滝さん!ってそれ何?」
「あぁ、これ?跡部をいじめた張本人。」
滝は引きずってきた3人の男を床に置いた。
「こいつらに全部聞いた。辛かったね。もう大丈夫だから、安心して?」
「ありがとう…」
跡部は安心したように笑った。
「ほらほらあんた達!もうすぐ部活始まるわよ!跡部君は私が見てるから、あんた達は行きなさい。」
「はーい…。じゃあな~跡部、また明日!」
「ばいばーい。」
「ああ。」
保健の先生に怒られて渋々部活へ行った。
部長も副部長もいない部活は自主練となった。
「ねぇ、忍足?」
「なん?滝。」
「ちょっといいかな。」
「おん。」
部活の途中に滝は、忍足を連れ出し部室に戻る。
「どないしたん?」
「跡部のことなんだけど…」
「?」
「跡部ね、ああいういじめに2週間もやられてたんだって。しかも殴る蹴るの他にも、いろんなことをされたらしいの。」
「殴る蹴るでも酷いンに他にもやったんか!?」
「うん。しかも酷いんだ。忍足、君を使ったんだ。」
「俺を?」
「多分跡部は忍足には話すと思う。部活終わった後にまた行ってあげて?」
「わかった。」
滝が言った、”忍足を使った“の意味が分からなかったが、跡部が話してくれるのを信じて、滝と俺は部活に戻った。
部活は忍足が指揮を取り、終了した。
忍足は滝に言われたように保健室に向かった。
部活終了後に、職員会議が行われているために保健の先生はいなかった。
保健室で、跡部はベッドに座ったまま考え事をしているようだった。
保健室の扉を開ける。
「跡部ー、入るで。」
「…。」
反応が無い。
妙だと思い、近くに行って顔を覗きこんだ。
「景吾?」
「っ!!おしたり!?何でここに…。」
「心配やったんよ。どうや?体まだ痛む?」
「いや…でも…」
「?」
忍足は跡部の隣に座る。
跡部はそのまま話を続けた。
「ここが、ぎゅうって締め付けられるように痛むんだ。」
跡部が触れたのは心臓の辺り。
すなわち、心。
跡部は、保健室の先生が言っていたように、体の傷だけじゃなく、心にも大きな傷を負っていた。
「景吾…」
跡部の瞳は赤く、今まで泣いていたことがわかった。
優しく名前を呼んで跡部を抱きしめる。
跡部の体は震えていた。
「景ちゃんずっと堪えてきたんやね。偉いなぁ。でもな、心配かけてもええんやで?俺とお前の仲やんか。たまには俺も頼ってぇな。」
跡部が安心するように、髪を梳きながら優しく話す。
跡部は少し悲しそうに話しだした。
「あいつら、侑士のことを使って来たんだ。侑士はお前のことは本当は好きなんかじゃないのに、付き合ってやってるんだとか…」
跡部の瞳から大きな涙が零れはじめる。
「お前なん…てただのテ…ニスだけが取り柄のホモ野郎だと…かっ…」
忍足は跡部を強く強く抱きしめ、話を聞いていた。
滝が言っていた、”忍足を使った“の意味がようやく理解できた。
「景吾…俺は…」
お前が好きなんだ と言おうとしたが、遮られてしまった。
「お前を愛してくれるものは、自分自身しかいないんだって言われるし!テニスだって負ければお前もただの負け犬だって言われるしっ…。俺、もうどうしたらいいかわからねぇよ…」
跡部の手は握りすぎで爪がギチギチと鳴っている。
「景吾、よぉく聞いてな?」
強く、しかし優しく抱きしめ、口を開く。
「俺は跡部景吾が好き。今抱きしめてる景吾が好き。その気持ちは誰に何を言われても変わらん。景吾は信じてくれる?」
泣きながら、一生懸命聞いてくれている跡部の髪を撫でる。
「うん。俺、侑士が悲しむから、あいつらに手出さなかったんだよ。」
そう言って精一杯笑う跡部に、心を奪われてしまって。
「ありがとう。そんな優しい景吾が大好きやで。愛してる。」
力強く抱きしめたあとに触れるだけのキスをする。
「侑士、いたいっ」
「あぁ、すまんすまん、つい。」
「ふふ、愛してる、侑士。」
「景吾…」
お互いの名前を呼んで、今度は深く口づける。
また後で、滝に礼を言わなきゃな。
自分が傷ついている時にも、他人のことを考えられる、かわいい恋人を守ってくれたことを感謝して。
どんなに体が傷ついても、どんなに心が痛んでも、あなたを思う気持ちは変わりません。
end
______________
題名の訳は 『体の傷や心の傷よりも・・・』です。
急に弱った跡部が書きたくて。一発書きです。((汗
所々カットしてありますが、大丈夫ですよね?
甘甘でいくはずだったんだけどなぁ・・・
2011.02.03
「けぇちゃーんっ一緒帰ろ♪」
「あぁ。」
正月が過ぎ、寒さが本格化して、ここ最近は雪が降り続けている。
そのため、辺りは白く覆われ気温が下がっている。
「にしても寒いなぁ…。景ちゃんは大丈夫?」
「マフラーしてるから大丈夫。侑士、お前こそ大丈夫かよ?手真っ白だぜ?」
「いや、大丈夫やないなぁ…感覚無くなってきた。」
「ほら、手貸せよ。」
「?」
ギュ。
と、跡部は忍足の手を取ると、自分の手を重ねて繋いだ。
「景ちゃんの手あったかいわー。小さくてかわええ手やな。」
「うるせぇな、離すぞ!」
かわいいと言われて照れる跡部は、顔を真っ赤にして忍足を睨みつける。
そんなつもりは跡部には無いのだろうが、忍足のほうが身長が高いため、どうしても上目遣いにしか見えない。
しかしそんなことを言ってしまうと、手を離すハメになってしまうため、言わない。
「褒めとるんに。せっかく繋げたんやから離さんといて?」
跡部は真っ赤な顔をふいとそっぽ向かせた。
(照れとるのバレバレや…。めっちゃかわええ…耳まで赤いし。)
「景ちゃん耳痛ない?真っ赤やで。」
「…痛い。」
「ほな早く帰ろ。家着いたらあったかいココアいれたるわ。」
そう言うと、跡部はくるっとこっちを向いて、早く帰るぞ、と足を速めた。
さくさくと、雪が心地好い。
ふと後ろを見ると、二人の足跡がここまで続いていた。
銀世界に二人だけしかいないような錯覚さえ覚えた。
「侑士!何してんだよ。歩けねぇだろうが。」
急に立ち止まったから、跡部も気にしたのだろう。
理由はそれだけじゃないのは知っている。
「景ちゃん見てみ?後ろ。」
「後ろ?」
くるりと身体を真後ろに回転させ、忍足と同じところを見る。
流石の跡部も、息を飲んだのがわかった。
氷の世界とはまた違う、雪の優しい真っ白の世界に跡部は目を輝かした。
「すげぇ…」
「銀世界に俺達二人だけみたいやな。」
「なあ、侑士…」
「なん?」
空が晴れ、太陽が顔を出した。
跡部の姿は、雪の白さと空の蒼さのコントラストで良く映えていた。
「この雪が溶けても、俺は侑士が好きだから。桜が咲いても、葉桜になっても、葉が散っても、また雪が降っても、大好きだから。だから…侑士も、大好きでいて?」
そう言って顔を赤らめて笑う姿はまるで天使のようだったから。
見惚れてしまった。
「当たり前や。生まれ変わっても景吾のこと見つけて愛したる。
ずっと、永遠に一緒にあったかいココア飲もう?」
「うんっ。」
一筋の涙が、右目の泣きボクロを濡らした。
その涙を拭って、ホクロにキスをする。
「帰ろ、景ちゃん。」
「うん。」
自然に二人で手を出して繋ぐ。
銀世界にまた、二人の足跡を付けていった。
*
「景ちゃん。」
「ん?」
「もし俺が家買ったら、庭にいろんな桜植えよ。シクラメンや枝垂れ桜、芝桜、冬桜。一年中それぞれ違う桜見れんねんで。一緒に見よ。」
「桜だけかよ。」
「それだけやないで?景ちゃんの好きなホワイトローズや、多年草のパンジー、向日葵とかもな。
あ、景ちゃんの好きなイチゴも植えたるわ。」
「庭、広くないとな。」
「将来は医者やで?それなりの家は買えるやろ。」
「あぁ、楽しみにしてる。」
あなたの大好きなものは
すべて大好きだから、
だからあなたも僕を、
大好きでいて。
___________________
今回も甘いものをご用意。
今年は甘いものを書くことに専念します。
目指すはバカップルまで!←
忍足はウザく出来るんですけど跡部がどうしても
乙女から、またはツンデレから抜け出せないです。
今年も宜しくお願いしますm(_ _)m
11月も早下旬。23日の火曜日は祝日で部活が休みだった。
冬じみた寒さに跡部は、首を竦めた。
「さみぃ…」
風が強く吹く。
日差しが暖かい。
目当ての男は現れない。
「遅い…俺様を待たせるとは何事だ。」
待ち合わせ時間を大幅に過ぎても、忍足は来る気配が無い。
跡部は、機嫌を悪くして家に帰ろうとした。
風が強い。
飛ばされるくらいに。
秋晴れで、日差しも暖かくて、時間の30分も前に待ち合わせ場所に来たのに。
誘って来たアイツは30分、1時間待っても来なくて。
日時は10時半。
アイツの来る気配は、無い。
だけど、今日見た夢は正夢になる気がして。
夢は、正しくなかった?
信じたのは馬鹿だった?
少しの可能性と、盛大な奇跡を信じて。
駄目押しで30分待ってみた。
彼は来ない。
時間は11時。
お昼時で人が多くなってきた。
しかし、彼の姿は無くて。
「…俺の…ばか……」
自分が情けなくなって、どことなく歩いた。
時間は2時。
昼から何も食べていない。
食欲が無い。
彼のせいでこんなにも変わってしまった俺の世界観に、今日見た夢が重なる。
にこやかに、爽やかに、
「明日、公園で待っとるから。10時に待ち合わせな?」
俺を誘ったくせに。
彼は来ない。
ふと、人にぶつかってしまった。
「痛ぇな、ちゃんと前見て歩けよ…」
「跡部?」
「!!」
聞き慣れた声のトーンに、心が動いた。
「な、ちょい待ちいや。なんで泣きそうなん?!」
「何でもねぇよ。」
ずっと聞きたかった声を、聞くことが出来て、嬉しくて泣きそうになる。
そんなこと、言える分けが無い。
「跡部?なんかあったん?」
休みの日にもかかわらず、テニスウェアを着て、ラケットを持っているところを見ると、ストリートでやってきたのだろう。
「何でもねぇって言ってるだろ。お前は何してんだよ。」
「さっきストリートテニスコートで岳人とテニスしてきたんや。その帰り。」
「そうか。」
予想通り。
こちらは今日見た夢のせいで一日の大半を無駄にしたというのに。
「で、跡部?今から空いとる?」
優しい彼の声に、甘えたいのに。
くだらない意地が出てきてしまう。
「あん?お前はテニスやってきたんだろ?」
「それとこれとは話がちゃうやろ?」
忍足はいつもそう。
俺の意地をことごとく砕く。
そうして、俺を甘やかす。
「…空いてるが?」
「家、来る?」
ペースを、持って行かれる。
「……行く。」
「ほなら、行こ?」
「あぁ。」
いつもそう。
こうして俺のくだらないプライドを砕き、心を和らげる。
この方法で、いつも君に甘える。
君待つと、必ず午後には幸せが僕らを待っている。
___________________________________
国語の時間に勉強した小説ですね~
中学3年でしたか・・・懐かしいですね。
誰が書いたかは忘れましたが。
夢に翻弄される跡部。
こんな乙女見たことない!!←
熱帯夜が毎日のように続き、暑いのが嫌いな跡部は、苛立っていた。
「また20分しか寝れてねぇ…ったく、いつになったらこの暑さがおさまるんだ!?」
隣で寝ている恋人は、気持ち良さそうに寝息を立てている。
いつもの伊達眼鏡は、机に置いてあり、端正な顔立ちが見える。
「ゆうし。暑くねぇの?」
忍足の長い前髪を払い、顔全体が見えるようにして、後ろ髪を梳いた。
切れ長の目にスッと通った鼻、愛の言葉を囁く唇。
じっと見てられるのはこいつが寝ている間だけ。
起きている時は、逆に見つめられて、恥ずかしくなって目を逸らしてしまう。
忍足が寝ている時にしか素直になれない。
でも忍足が起きているほうが好きで。
ふと時計を見ると、まだ午前4時を回ったばかりだった。
「ゆうし……大好きだよ。」
そう言って、ベッドから抜け出し、水を求めキッチンへと脚を運ぶ。
冷蔵庫から新しいミネラルウォーターを取り出し、キャップをひねる。
まだ起きてから10分前後しか経っていないため、力が入らず開けられない。
どうしたものかと考えていると、いきなり背後から水を奪われた。
振り向くと、そこには寝ていたはずの忍足がいて、簡単にペットボトルを開け、ペットボトルを跡部の口にくっつけた。
「飲み?」
一言言うと、ペットボトルの口を傾けた。
「んぅ…んっ…むぅ…」
跡部は口を開けて流れてくる水を飲む。しかし、ほとんど飲みきれず、顎、首筋、鎖骨へと水が流れて行く。
「エロいなぁ…景吾…」
「んっ…ぅんっ…」
「水飲むだけでなんでそないにエロいねん。」
ペットボトルを離すと、水は跡部の口、首、胸元まで濡らしていた。
ペットボトルの中身はもう4分の1にも満たない。
「あーあ。びしょ濡れやなぁ景吾。気持ち悪くない?」
「…張り付く。」
「せやろ?ほな、脱がせたるから、おとなしくしとってや。」
「うん…」
忍足は、跡部をソファーまで運び、寝かした。
薄い紫色のワイシャツのボタンを外していく忍足の指を跡部はじっと見る。
「なあ…ゆうし?」
「なん?」
「いつ、起きたの?」
「んー…いつになったらこの暑さがなんたらってところからやな。」
「なっ!ほぼ最初からじゃねぇか!」
忍足はワイシャツのボタンを全部外した。
「かわいかったで~、ちゃんと告白聞いたしな。」
「な…!忘れろ!」
「何で?俺も好きやで…景吾…」
湿った白い肌にキスを落とす。
「んっ…俺も…」
「おおきに。ほな、これ着て。」
そう言って忍足は、薄い桃色のシャツを手渡す。
跡部はおとなしくシャツに腕を通す。
「…眠い。」
「じゃあ冷房つけたるから、ベッド入りや。」
「うん。待ってる、から、一緒に寝よ?」
「あぁ、ええで。待っとって?」
「うん。」
跡部が寝室に行くのを見遣ってから、冷房のリモコンを取ってボタンを押す。
「……景ちゃん可愛すぎやろ!襲いたいけどなぁ…今日は我慢しとこ…」
そう言って忍足は、室温設定とタイマーをセットして跡部が待ってる寝室へ向かった。
「お待たせ景ちゃん。起きとる?」
「…うん。早く来て…」
「はいはい。眠いねんな。」
忍足は跡部が入っているベッドへと入り込んだ。
そして跡部の肩、腰に腕を回し、自分の胸に引き寄せた。
「…ゆうし、暑い。」
「景ちゃんとこうしてないと、俺の心が寒いねん。」
「全然、うまくない。」
「ほんまやな。」
「…寝る。」
一言、跡部は言って忍足に抱き着いた。
すると、すぐに寝息を立てた。
「ほんまにかわええ…天使の日に生まれただけあるわ。」
忍足は、すやすやと眠る跡部の額にキスをし、やがて夢の中に堕ちた。
もし、世界に俺ら二人だけだったら。
もし、俺らが国の法律を考えて、採用されていれば。
もし、俺らが神様だったら。
俺らに不幸は訪れなかっただろう。
俺らを咎める人もいないのに。
俺らとおんなじような人達も幸せになれるのに。
俺らを信じてくれる人すらも出てくるのに。
俺らに幸せは訪れるのに。
どうしてそうならなかったんだろう。
運命に例えてもそれはあまりにも残酷で。
どうして世界中の人全員が幸せになれないの。
こんなにも愛しているのに、国が、世界が、俺達が繋がるのを拒む。
どんなに金があっても、それは役に立たなくて。
どれだけ泣いたって状況は変わらない。
そう、思っていたけれど、彼の一言でそんな思いは一蹴された。
「世界なんか関係あらへんやん。俺達が二人でここにおれる、それだけでも神様に感謝せなあかんよ。」
彼が、あまりにも自信満々に言うから、つい笑みがこぼれた。
「せやから、世界がどうのより、今こうやって二人でおれる時間を、大切にするほうが大事やと思うで?」
その日から、俺の行動は甘くなった気がする。
思う存分甘えて我が儘言って。
言うこと聞いて自分を与えて。
それで彼は良く笑うようになった。
俺の前では特に。
切れ長の目を目一杯伸ばして、俺の頭を撫でて。
前よりも好きと言うことと、言われることが増えた。
一緒にいることも増えたし、今ではもう二人で暮らしている。
もし、
もし、本当に神様がいるならば、このままずっと二人でいさせてくれますか?
もし、二人でいられるなら、きっとどの御託を並べるより幸せになれるでしょう。
どうか、
ifという選択肢を並べられる幸せが、どうかこのまま続きますように。
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オチがあんまり気に入りませんが気にしない方向で;
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| S | M | T | W | T | F | S |
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