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Afraid of me
「い、ぃや…嫌だ…こっちに来るな…」
不意に聞こえた声に、忍足は目を覚ました。
「跡部…?」
隣に寝ている跡部は汗をかいていて、髪まで濡れていた。
そしてとても苦しそうに喘いでいる。
「あっやめ…嫌、嫌だぁ…」
余りにも苦しそうに、はっきりと寝言を言っているので、起こそうとする。
「景ちゃん、景ちゃん起きぃ。」
忍足は優しく声をかけながら跡部の体を揺する。
目をうっすらと開けた跡部は、小さく悲鳴を上げて後ずさった。
「大丈夫や、俺やで。」
優しく耳元で囁いて抱きしめる。
服は汗でぐっしょりしていた。
跡部の額に張り付いた前髪を払う。
「どないしたん?怖い夢でも見た?」
「うん。」
しがみついた体は微かに震えていた。
「怖かった…」
ぼろぼろと涙を零し、肩で息をする。
「景ちゃんは怖いの嫌いやしなぁ。もう大丈夫やで。」
忍足は跡部の背中を宥めるように叩いた。
「景ちゃんが眠れへんねやったら俺も起きとるからな?好きな時に寝たらええから安心しぃ?」
そう言って跡部の額にキスをする。
汗のせいか少ししょっぱい。
跡部は安心したのか、声を上げて泣き始めた。
忍足は跡部を胸へ引き寄せ、背中をさすりながら抱きしめた。
しばらくすると、跡部は泣き止んで忍足を抱き返した。
跡部は怖いものが嫌いだ。
幽霊が嫌いで、合宿の肝試しには強がってはいたが、肩が震えていたのを覚えている。
暗い所も嫌いで、これは小さい頃に誘拐されたトラウマだと言う。
自分を脅かすものはとことん嫌いで、体は拒絶反応を起こしてしまう。
いつもの自信に満ちた跡部様ではなくなってしまう。
本当は繊細で心の弱い跡部。
広い屋敷で、執事等はいるものの、親はいない。
一人で生きてきた同然の跡部には、俺が心のよりどころなのだと思う。
俺といることで、安心出来るなら、ずっと一緒にいたいといつだったか誓った。
出来るだけ、跡部の怖がる顔も、寂しがる顔も、悲しそうな顔も見たくはない。
一番輝いている笑顔を見ていたい。
俺が隣にいるだけで、笑顔になれるならいつでも一緒に居ようと思う。
これは俺だけの特権と言える。
例え幼なじみだろうが、親友だろうが、俺以外の奴に跡部の心を落ち着かせることはできない。
俺だけの跡部、跡部だけの俺。
そういう関係だからこそ、跡部は俺に弱い所を全部晒してくれる。
跡部は俺のもの。
弱い跡部も、かわいい跡部も、強い跡部も全部俺のもの。
逆に、弱い俺も、強い俺も、跡部のもの。
だから――――――…
「もっと頼ってくれてええんやで?」
気づいた時には跡部は気持ち良さそうに寝息を立てて、忍足の腕の中で寝ていた。
「侑士…す、き」
ふと聞こえた恋人の寝言に笑みを浮かべて、額にキスをする。
「俺もやで。」
今度は幸せな夢を見られるようにと願いながら、忍足も眠りについた。
Afraid of me(俺を頼って)
END
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はい。えーこれはずっと前にノートに書いたものを書き直した
けっこう古い小説です。
今よりもものすごく拙い文章で・・・直しました!
やはり弱ってる跡部と優しい忍足が好き。
楽しんで読んでもらえると嬉しいです^^
カッコの中は和訳です。
2011.04.19 夜
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