title="ATOM" href="http://yoru.kakuren-bo.com/ATOM/"> LARMES 恋のキューピット 忍者ブログ
この管理人の小説用ブログです。男同士の同性愛的要素で展開されておりますので嫌悪感を感じる方、男性の方は入室をご遠慮下さい。また当サイトは原作者様・製作関係者様とは一切関係ありません。
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恋のキューッピットは恋に悩める人の見方なのです。

今日も悩める人々に、天使の導きがあることでしょう。






丁寧にラッピングされた小さな箱。
跡部はその小箱を見つめながら険しい顔をしていた。

今日は2月14日、バレンタイン。
外国では男から女に花束を贈る日。
日本では、女から男にチョコレートを贈る日。

跡部は外国にいる方が長かったために、日本のバレンタインはあまり知らなかった。
しかし、今悩んでいることはそんなことでは無くて。

跡部には、忍足という付き合って半年の恋人がいる。
跡部は、その恋人にチョコレートをあげたほうが良いのか、迷っていた。

そんな状況の中で、跡部に向かって黄色い声が飛ぶ。


「跡部様ー!チョコレート受けとってー!!」

「険しいお顔も素敵ー!!」

「跡部様こっち向いてー!」


その声に気づくと、聞こえる方向に顔を向ける。


「「「キャーー!!跡部様ー!!」」」


女子生徒が跡部のもとに寄ってくる。


「跡部様、チョコレート受けとって下さい!」

「ありがとう。ホワイトデー、待っててよ。」

「「「はい!!」」」


チョコレートを受けとって、ニッコリと笑顔を浮かべる。
それだけで、女子生徒の顔が赤く染まる。

女子生徒は足早に去っていった。


毎年部屋に溢れるくらいのチョコレートを貰う。
自分一人では食べれるものでは無いが、必ずお返しもする。
三倍返しで。

それは母親からの教えだった。

温厚で在るように
フェミニストで在るように
心が綺麗で在るように

女性に対しての関わり方は全て母親から教わった。

しかし、それは女性だけ。
男にどうしろなど、聞かされなかったし聞かなかった。


悩んでいても仕方が無いと思い、誰かに相談することにした。

こんなことに相談に乗ってくれるのは、あいつしかいないと思い部室に駆け込んだ。


「おい、宍戸。」

「お?跡部じゃねぇか。どうしたんだ?」

「その……チョコのことなんだけどよ。」

そこまで言ったところで、宍戸はニヤリと顔を歪ませてこちらを見てきた。


「ははーん、さては忍足に用意してきたな?」


宍戸は跡部の顔を見るなりそう言って納得したように自分で頷いた。


「なっ!まだ何も言ってねぇだろ!」

「顔に書いてあるんだよ。跡部はわかりやすいからな!」

「ちっ…。ああそうだよ。だから…あいつにあげた方がいいのかわからなくて…。」


いつも顔に出てしまうから、嘘をつくのが苦手で、いつもみんなに気づかれてしまう。
自分でも呆れてしまう。

宍戸はニッコリ笑って跡部を見た。


「いいじゃねぇか。渡してやれよ。あいつきっと喜ぶぜ!なにしろこういう行事大好きだからなっ。」

「あ、ああ…。」


そう言ってバシバシと跡部の背中を叩く。

跡部は、少し不安がりながらも、部室をあとにした。



昼休みになって、女子の足が薄くなりはじめた。
跡部は生徒会室のソファで休んでいた。

なんだかんだ言って、まだチョコを渡せていない。

喜ぶのはわかっているが、どうしても自分から行くのが恥ずかしいのだ。


「…はぁ。」

「どないしたん?ため息ついて。」

「うわ!お前いつからそこに…。」
「べつにええやろ?どないしたん。めっちゃ疲れてそうやねんけど。」

「べつに…。」


まさか悩んでいる根本に来てしまわれるとは思わず、適当にあしらうしか方法が見つからなかった。


「ほんなら、なんなん?」

「………。」

「ま、言いたないんやったらそれでもええけど。」

「あ、せや、はい。」


忍足は隠していた右手から箱を出した。


「?」


跡部が、何も言えず俯いていると、頭の上に箱が置かれた。

青いリボンでラッピングされた小さな箱。
それを持っている忍足は少し照れ臭そうに、顔を背けていた。

「跡部絶対くれへんなぁ思うて俺が持ってきたんや。手作りとちゃうけど、受け取ってくれる?」

まるで意思が繋がっているような感覚。

自然と笑いが込み上げてきた。


「ありがとう。有り難く受け取っておく。」

「どういたしまして。」


チョコを貰い、忍足の手を掴む。
掴んだ手を開いて、先程の小さな箱を渡す。


「誰も渡さねぇなんて、言ってねぇよ。あーん?」

「え、ほんまに!?うわ、めっちゃ嬉しいわぁ。ありがとう、景ちゃんv」

「あっバカ!!その名前で呼ぶな!!」

「ええやんええやん!かわええから!」

「ふざけんなぁ!!」







「…激ダサだぜ。」



生徒会室の外で姿を隠して笑っている宍戸がいた。





「ところでお前、なんで俺のいるところがわかったんだ?」


先程から気になっていたことを口にする。

すると忍足は、少し笑って口を開いた。


「宍戸に教えてもろてん。」


忍足がそれを言ったあと、生徒会室の外側から物音がした。

二人がドアを開けて見ると、慌てて逃げようとする宍戸の姿。


「宍戸!!」

「げ、ばれた!!」

「ばれた、じゃねぇ!待ちやがれ!」


宍戸は追いかけて来る跡部と忍足を尻目に、満面の笑みを浮かべ、あばよ!と言ってものすごい速さで逃げて行った。




恋のキューピットはいつも突然に現れ

いつも突然に消えていく。

恋のキューッピットはあなたの隣にも
いるかもしれませんね。



end
____________________________________
偲乃様に捧げるバレンタインの小説です。
忍跡がメインなのか、宍戸がメインなのか分からなくなってしまいましたが、
今日と言う日を存分に楽しんで下さい^^

夜 

2011.02.14




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