この管理人の小説用ブログです。男同士の同性愛的要素で展開されておりますので嫌悪感を感じる方、男性の方は入室をご遠慮下さい。また当サイトは原作者様・製作関係者様とは一切関係ありません。
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殺したっていいじゃないか。
君が嫌う俺なんて。
愛したって・・・
この頃跡部の様子がおかしい。
久々に家に誘っても断られるし、しかも顔色が悪い。
ただでさえ白いのに、最近は青白く感じられる。
目の下にもくまをつけてあんまり寝れていないことがわかる。
その理由を誰も知らないのだ。
幼なじみの宍戸や岳人、ジロー、親友の滝、樺地までもが知らない。
俺は部室にヒントがあるかと思い、午前の授業をすっぽかして部室にいた。
しかし、これといった物が無く、仕方なくパソコンを開いて検索履歴を見ていた。
部員達には趣味が悪いとか言われるが、これもちゃんとした人間観察のひとつ。
何が検索されているのかを調べることで、その人の興味がわかるのだ。
カチッと右クリック。
すると、思いも寄らないものが検索されていた。
”自殺志願者”
「なんなん…これ…。」
落ちてきた伊達眼鏡を上げてその文字をクリックする。
リンクされているページが開き、誰かがクリックしたと予想される、ひとつだけ色が変わったところをクリックする。
”自殺志願者リスト”
そのサイトは、何時にどこで、どんな方法で、または誰と死ぬのかを共有するサイトだった。
「まさか誰か登録しとるわけやあらへんよな…」
その自殺志願者のリストを開く。
新着順に表示してみると、出てきて欲しくなかった名前が刻まられていた。
”◎月△◇日 跡部景吾”
まさかとは思ったが、ここで出てくるとは思わなかった。
日頃何かに悩まされ、死にたいとまで思ってしまうほど苦しかったのかと思うと、胸が痛んだ。
今日は跡部を逃がすまいと決心した忍足だった。
午前中の授業が終わり、学食に足を運ぶ。
食堂にたどり着くと、いつもの席にはテニス部レギュラー陣が集まっていた。
そこにはちゃんと跡部もいる。
「おっせーよ侑士~!」
「サボってたんだろ?寝てて気づかなかったのか?」
「堪忍なぁ。ほな、食べよか。」
みんなが食べ終わったあと、たわいない談笑をしていたが、跡部は全然食べずに話しをしていた。
「あとべー、これ食べないの?たくさん残ってるCー。」
ジローが皿に残っている料理を指さして言った。
「食べていいぜ。食欲ねぇんだ。」
「マジ?じゃあ俺これ貰う!」
「あっ!がっくんずるE!!」
その後も、跡部は何も食べなかった。
チャイムがなった頃、教室に戻ろうとした跡部の腕を引っ張り、引き止める。
「あん?なんか用か忍足。」
間近で見ると、その青白さは引き立って、透けてしまいそうだった。
「今日、俺ん家来てな。絶対。」
それだけ言うと忍足は跡部を離し、教室に戻っていった。
忍足の去ったあとに悲しそうに歪んだ跡部の顔は、誰も見ることはなかった。
午後の授業も終わり、A組へと向かう。
今日は金曜日。部活も無い。
A組に着くと、跡部は帰る支度をしているところだった。
跡部は俺に気づくと、急いで鞄を持ち、そばに来た。
「待たせたな。」
「今来たところやし、問題無いで。」
「そうか…。」
「行こか。」
「あぁ。」
そこからは二人とも無言で、帰路を歩いた。
しばらくすると、いつの間にか家に着いていた。
跡部を上がらせてソファーに二人で座る。
「なぁ忍た「景吾。」」
わざと跡部のセリフに被せた。
せっかく捕まえたのだ。
逃がすわけにはいかない。
「なんだよ…。」
跡部の蒼い目が揺らぐ。
「自殺、したいん?」
「!!!」
その言葉を出した途端跡部の顔が凍った。
「な、んで…」
「景ちゃんこの頃ちゃんと寝れてへんやろ?ただでさえ細いんにまた細くなったよな。何か悩んでることがあるんなら言うて?相談乗るよ。」
「別に、ただ疲れてて眠れないだけだ。」
「それ、ホント?」
「ほ、ホント。」
嘘ではないが、まだ本当のことを打ち明けてはいない跡部。
忍足は今日見つけたことを話していく。
「今日な、午前の授業サボって部室におってん。景吾が悩んでる何かがある思てな。」
跡部の瞳が揺れる。
「せやけど何もあらへんからパソコン開いてん。検索履歴見たら見つけたわけや。自殺志願者っていう履歴をな。」
跡部の瞳をこちらに向かせ、真剣に問いただす。
「自殺志願者リストってもんを見つけて見てみたんやけど、そこに景吾が登録されてたんや。何か異論ある?」
跡部は苦しそうに顔を歪め、忍足の胸にしがみついた。
予想外の行動にびっくりしたが、ここで離してしまえば逆効果だと思い、抱きしめた。
「俺、忍足に嫌われてるって思ってた。この頃メール来ないし部活サボるし、電話出ないから…飽きられたって思ったんだ…。」
「景吾……。」
確かにこの頃忙しくて、ケータイがマナーモードにしっぱなしで着信に気づかない時が多く、バイトから帰ってすぐに寝てしまうからメールも気づかなかった。
しかも一日前の疲れが溜まっていて部活に出れないこともしばしばあった。
跡部の悩みの根本がこの俺にあったなんて。
「景ちゃんごめんな?そんなつもりやなかったんよ。」
「お前俺がどれだけ苦しい思いしてたか知らねぇだろ。」
「ごめん…。」
「嫌われた理由を考えて、考えて考えてっ…でも分からなかったから…俺素直じゃないし、かわいくないから、思ってもないこと言って、それで嫌いになったんなら…俺自身が消えれば良いんだなって思ったんだ。」
「景吾っ!!」
ましてや愛しい人を自殺の寸前まで追い詰めていたなんて。
なんて最低な人間だろう。
それでも跡部は今俺の腕の中に居る。
離したくない。一人にさせない。
愛してる。これまでも。これからも・・・
静かに涙を零す跡部を抱きしめ、優しくキスをする。
自分からも涙が出てくるのが分かった。
「ごめん、ごめんなぁ景吾…。俺アホやから、景ちゃんがそんなに悩んでること知らなかってん。ごめんな、ホンマにごめん…。」
「ゆぅ、しぃっ…。」
愛したっていいじゃないか。
終わらせるなんてもったいない。
二人でいれば、世界はこんなにも美しい。
*********おまけ↓
そのあと、誤解が解けた忍足は跡部と部屋でくつろいでいた。
「あ、景吾、あのサイト離脱しときや。」
「分かってる。もう死ぬ気無ぇよ。」
「死んだら地獄の底まで追いかけたるからな。」
「ずっと一緒にいれるなら、それでもいい。」
「け、景ちゃん!!あーもう反則やろ。喰うぞ!」
「ふざけんなっ!退け…んぅっ…っ!」
愛してる。
この気持ちで2人を繋ぎとめて
誰も触れないよう
大事に大切に護っていく・・・・
‐END‐
_____________________
はい。やっちまったなぁ感がとてつもなく溢れてきます。
私は跡部傷つけることが好きです←え
愛故ですよ(笑)
皆さんも分かっているとは思いますが、これは某歌姫の神曲です。
これって著作権関係ありますかね?
問題があったら削除させていただきます。
2011.03.18 夜
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「裕太、お前は望まれた子じゃないんだよ。」
背中越しで伝わるもの
「うわあ!!」
あまりの寝苦しさに勢いよく毛布を捲りあげ、身体を起こす。
額から汗が流れ落ちた。
気づくと服は汗でびっしょりで、体に張り付いていた。
「…兄貴…。」
夢で最後に見たのは自分の兄、不二周助の顔。
とても幼くて、それが逆に恐ろしさを際立たせていたのだろう。
「俺は……」
夢だと分かっていても、心配はしてしまう。
あんなに恐ろしい表情で俺は望まれた子供では無いと言われれば、少なからずこのような状態に陥る人はいるだろう。
後しばらくベッドに入っていたが、寝付ける様子もなく仕方なく自室を後にした。
廊下を歩いていると、ある一室から光りが漏れていた。
その光りに吸い寄せられるように、その部屋の前に来た。
『観月はじめ』
部屋の表札には観月さんの名前。
起きているのかと、2回ほどノックをする。
「はい。どなたですか?」
観月さんは起きていたようで、声をかけてきた。
「あ、裕太です。」
「どうぞ」
ドアを開けると、今まで暗闇に慣れていた目がその光りで眩む。
「んふっ。どうされました?裕太君。」
「あ、いや…」
観月さんは片手に本を持っていた。
テーブルにはティーカップが置かれていた。
「まあ立ち話もなんです。椅子に掛けなさい。」
「ありがとうございます。」
観月さんに席を用意してもらい、紅茶をいれてもらった。
「んふっ。これはアールグレイです。紅茶のなかでも少し香りが引き立っているので、飲む前に香りを楽しんで下さいね。」
「あ、はい。」
ティーカップを手に取り、香りを嗅ぐ。
アールグレイ独特の香りが鼻に充満する。
香りを堪能した後、一口咥内に運ぶ。
心が落ち着いた感じがして背もたれに体を預けた。
「それで、どうされました?こんな時間に起きてるなんて珍しいじゃないですか?」
観月さんは紅茶を飲みながら俺に問い掛ける。
俺はティーカップをテーブルに置き口を開いた。
「夢を見たんです。兄貴の…。」
「不二周助の…ですか?」
「はい。」
「怖い夢だったんですね?」
「はい。俺は望まれた子ではないって言われて…。」
「んふっ。辛かったでしょう。心が落ち着くまで、ここにいていいですよ。」
ティーカップを置いて、俺に微笑んだ。
優しい観月さんは好きだ。
なんだかお母さんのような感覚を覚えるから。
「観月さん、俺…。」
「裕太君。あなたはとても優しい人です。それゆえに、あなたは本心で不二周助を憎めない。でもね、僕はそんな裕太君が好きですよ。」
「え…」
驚く俺を置いて、観月さんは歌うように口を開く。
「優しさに溢れ、情に厚い。しかし行動力とそれに伴う実力を持っている。こんなに優秀な人はたとえ青学にもいやしません。」
「ありがとうございます。」
「たとえ家族に必要とされていなくても、僕が必要としています。テニスの人材だけでなく、大切な仲間として。」
「観月さん…。」
観月は席を立ち、不二に近寄った。
観月は不二の前で跪ずいて手をとる。
「ですから、いつでも言ってください?僕はあなたの味方です。あなたがそう思うなら、僕があなたを引き取りますよ。」
言い終わると、ニッコリと笑って俺の手の甲にキスをする。
その姿がとてもかっこよくて、思わず見惚れる。
「どうしました?顔が赤いですよ、裕太君?」
今度は先程の笑顔ではなく、妖しい笑みに変わる。
「あっ…いやべつに…。」
「んふっ…。さてと、ああ、もうこんな時間ですか。そろそろ眠らないと明日が辛いですよ。」
「あ…」
「それとも一緒に寝ますか?。」
「ええっ!?」
あまりにも急な勧誘でとてもびっくりしてしまった。
「んふっ。遠慮はいりませんよ。さあ、こちらへ。」
微笑をたたえ、紳士的な態度で俺を誘導する。
ベッドに俺と観月さんが入ると、シングルベッドには隙間がなくなった。
観月さんの体温が背中越しに伝わる。温かくて心地好い。
もっとこの体温を感じたくて寝返りを打つ。
観月さんと向かい合う形になって胸がドキドキした。
「どうしました?」
「いえ…なんだか心地好くて。」
「人の体温を感じることで、安心することが多いです。ですが、今ではそんなことすら同性同士では許してくれない。淋しいですね。」
観月さんの顔が切なげに笑う。
「体温を感じることほど、大事なことは無いのに…。」
そんな観月さんに、気づいたら俺は抱き着いていた。
「裕太君?」
観月さんの声色で驚いていることがわかった。
「俺、観月さんのこと好きです。最初はなんだかおふくろみたいで、分からなかったんですけど、今観月さんの体温を感じてみてわかりました。なんでこんなに安心するんだろう、なんでドキドキするんだろうとか、ずっと悩んでいて…」
観月さんが俺を抱き返した。
「いつ気づいてくれるのか冷や冷やとしていましたよ。待ってました。」
「観月さん…。」
「ね?体温を感じることは重要だということが分かりましたか?」
「はい。」
返事をすると、観月さんは俺の額にキスを落とした。
「いつでも歓迎しますよ。裕太君。」
その言葉を合図に俺は夢の中に堕ちていった。
*********
翌朝
「なんで観月の部屋から裕太が出てくるだーね?」
「クスクス。」
「マネージャーとして、カウンセリングをしていました。もっとも、裕太君だけにしかしませんので。」
「マネージャーとしてなのに裕太だけ?わけわからんだーね。」
廊下の先には笑顔を讃えた裕太と、それに疑問をもつ金田と赤澤がいたとのこと。
背中越しに伝わるものは、体温だけでは無いんですよ。
END
____________________________
えー・・・突発的に他校を書きました。
まさかの観裕ですねw
私はどちらかというと周裕のほうが好きなのですが、今回はこっちで^^
楽しんでいただければ、幸いです。
2011.03.07 夜
背中越しで伝わるもの
「うわあ!!」
あまりの寝苦しさに勢いよく毛布を捲りあげ、身体を起こす。
額から汗が流れ落ちた。
気づくと服は汗でびっしょりで、体に張り付いていた。
「…兄貴…。」
夢で最後に見たのは自分の兄、不二周助の顔。
とても幼くて、それが逆に恐ろしさを際立たせていたのだろう。
「俺は……」
夢だと分かっていても、心配はしてしまう。
あんなに恐ろしい表情で俺は望まれた子供では無いと言われれば、少なからずこのような状態に陥る人はいるだろう。
後しばらくベッドに入っていたが、寝付ける様子もなく仕方なく自室を後にした。
廊下を歩いていると、ある一室から光りが漏れていた。
その光りに吸い寄せられるように、その部屋の前に来た。
『観月はじめ』
部屋の表札には観月さんの名前。
起きているのかと、2回ほどノックをする。
「はい。どなたですか?」
観月さんは起きていたようで、声をかけてきた。
「あ、裕太です。」
「どうぞ」
ドアを開けると、今まで暗闇に慣れていた目がその光りで眩む。
「んふっ。どうされました?裕太君。」
「あ、いや…」
観月さんは片手に本を持っていた。
テーブルにはティーカップが置かれていた。
「まあ立ち話もなんです。椅子に掛けなさい。」
「ありがとうございます。」
観月さんに席を用意してもらい、紅茶をいれてもらった。
「んふっ。これはアールグレイです。紅茶のなかでも少し香りが引き立っているので、飲む前に香りを楽しんで下さいね。」
「あ、はい。」
ティーカップを手に取り、香りを嗅ぐ。
アールグレイ独特の香りが鼻に充満する。
香りを堪能した後、一口咥内に運ぶ。
心が落ち着いた感じがして背もたれに体を預けた。
「それで、どうされました?こんな時間に起きてるなんて珍しいじゃないですか?」
観月さんは紅茶を飲みながら俺に問い掛ける。
俺はティーカップをテーブルに置き口を開いた。
「夢を見たんです。兄貴の…。」
「不二周助の…ですか?」
「はい。」
「怖い夢だったんですね?」
「はい。俺は望まれた子ではないって言われて…。」
「んふっ。辛かったでしょう。心が落ち着くまで、ここにいていいですよ。」
ティーカップを置いて、俺に微笑んだ。
優しい観月さんは好きだ。
なんだかお母さんのような感覚を覚えるから。
「観月さん、俺…。」
「裕太君。あなたはとても優しい人です。それゆえに、あなたは本心で不二周助を憎めない。でもね、僕はそんな裕太君が好きですよ。」
「え…」
驚く俺を置いて、観月さんは歌うように口を開く。
「優しさに溢れ、情に厚い。しかし行動力とそれに伴う実力を持っている。こんなに優秀な人はたとえ青学にもいやしません。」
「ありがとうございます。」
「たとえ家族に必要とされていなくても、僕が必要としています。テニスの人材だけでなく、大切な仲間として。」
「観月さん…。」
観月は席を立ち、不二に近寄った。
観月は不二の前で跪ずいて手をとる。
「ですから、いつでも言ってください?僕はあなたの味方です。あなたがそう思うなら、僕があなたを引き取りますよ。」
言い終わると、ニッコリと笑って俺の手の甲にキスをする。
その姿がとてもかっこよくて、思わず見惚れる。
「どうしました?顔が赤いですよ、裕太君?」
今度は先程の笑顔ではなく、妖しい笑みに変わる。
「あっ…いやべつに…。」
「んふっ…。さてと、ああ、もうこんな時間ですか。そろそろ眠らないと明日が辛いですよ。」
「あ…」
「それとも一緒に寝ますか?。」
「ええっ!?」
あまりにも急な勧誘でとてもびっくりしてしまった。
「んふっ。遠慮はいりませんよ。さあ、こちらへ。」
微笑をたたえ、紳士的な態度で俺を誘導する。
ベッドに俺と観月さんが入ると、シングルベッドには隙間がなくなった。
観月さんの体温が背中越しに伝わる。温かくて心地好い。
もっとこの体温を感じたくて寝返りを打つ。
観月さんと向かい合う形になって胸がドキドキした。
「どうしました?」
「いえ…なんだか心地好くて。」
「人の体温を感じることで、安心することが多いです。ですが、今ではそんなことすら同性同士では許してくれない。淋しいですね。」
観月さんの顔が切なげに笑う。
「体温を感じることほど、大事なことは無いのに…。」
そんな観月さんに、気づいたら俺は抱き着いていた。
「裕太君?」
観月さんの声色で驚いていることがわかった。
「俺、観月さんのこと好きです。最初はなんだかおふくろみたいで、分からなかったんですけど、今観月さんの体温を感じてみてわかりました。なんでこんなに安心するんだろう、なんでドキドキするんだろうとか、ずっと悩んでいて…」
観月さんが俺を抱き返した。
「いつ気づいてくれるのか冷や冷やとしていましたよ。待ってました。」
「観月さん…。」
「ね?体温を感じることは重要だということが分かりましたか?」
「はい。」
返事をすると、観月さんは俺の額にキスを落とした。
「いつでも歓迎しますよ。裕太君。」
その言葉を合図に俺は夢の中に堕ちていった。
*********
翌朝
「なんで観月の部屋から裕太が出てくるだーね?」
「クスクス。」
「マネージャーとして、カウンセリングをしていました。もっとも、裕太君だけにしかしませんので。」
「マネージャーとしてなのに裕太だけ?わけわからんだーね。」
廊下の先には笑顔を讃えた裕太と、それに疑問をもつ金田と赤澤がいたとのこと。
背中越しに伝わるものは、体温だけでは無いんですよ。
END
____________________________
えー・・・突発的に他校を書きました。
まさかの観裕ですねw
私はどちらかというと周裕のほうが好きなのですが、今回はこっちで^^
楽しんでいただければ、幸いです。
2011.03.07 夜
恋のキューッピットは恋に悩める人の見方なのです。
今日も悩める人々に、天使の導きがあることでしょう。
丁寧にラッピングされた小さな箱。
跡部はその小箱を見つめながら険しい顔をしていた。
今日は2月14日、バレンタイン。
外国では男から女に花束を贈る日。
日本では、女から男にチョコレートを贈る日。
跡部は外国にいる方が長かったために、日本のバレンタインはあまり知らなかった。
しかし、今悩んでいることはそんなことでは無くて。
跡部には、忍足という付き合って半年の恋人がいる。
跡部は、その恋人にチョコレートをあげたほうが良いのか、迷っていた。
そんな状況の中で、跡部に向かって黄色い声が飛ぶ。
「跡部様ー!チョコレート受けとってー!!」
「険しいお顔も素敵ー!!」
「跡部様こっち向いてー!」
その声に気づくと、聞こえる方向に顔を向ける。
「「「キャーー!!跡部様ー!!」」」
女子生徒が跡部のもとに寄ってくる。
「跡部様、チョコレート受けとって下さい!」
「ありがとう。ホワイトデー、待っててよ。」
「「「はい!!」」」
チョコレートを受けとって、ニッコリと笑顔を浮かべる。
それだけで、女子生徒の顔が赤く染まる。
女子生徒は足早に去っていった。
毎年部屋に溢れるくらいのチョコレートを貰う。
自分一人では食べれるものでは無いが、必ずお返しもする。
三倍返しで。
それは母親からの教えだった。
温厚で在るように
フェミニストで在るように
心が綺麗で在るように
女性に対しての関わり方は全て母親から教わった。
しかし、それは女性だけ。
男にどうしろなど、聞かされなかったし聞かなかった。
悩んでいても仕方が無いと思い、誰かに相談することにした。
こんなことに相談に乗ってくれるのは、あいつしかいないと思い部室に駆け込んだ。
「おい、宍戸。」
「お?跡部じゃねぇか。どうしたんだ?」
「その……チョコのことなんだけどよ。」
そこまで言ったところで、宍戸はニヤリと顔を歪ませてこちらを見てきた。
「ははーん、さては忍足に用意してきたな?」
宍戸は跡部の顔を見るなりそう言って納得したように自分で頷いた。
「なっ!まだ何も言ってねぇだろ!」
「顔に書いてあるんだよ。跡部はわかりやすいからな!」
「ちっ…。ああそうだよ。だから…あいつにあげた方がいいのかわからなくて…。」
いつも顔に出てしまうから、嘘をつくのが苦手で、いつもみんなに気づかれてしまう。
自分でも呆れてしまう。
宍戸はニッコリ笑って跡部を見た。
「いいじゃねぇか。渡してやれよ。あいつきっと喜ぶぜ!なにしろこういう行事大好きだからなっ。」
「あ、ああ…。」
そう言ってバシバシと跡部の背中を叩く。
跡部は、少し不安がりながらも、部室をあとにした。
昼休みになって、女子の足が薄くなりはじめた。
跡部は生徒会室のソファで休んでいた。
なんだかんだ言って、まだチョコを渡せていない。
喜ぶのはわかっているが、どうしても自分から行くのが恥ずかしいのだ。
「…はぁ。」
「どないしたん?ため息ついて。」
「うわ!お前いつからそこに…。」
「べつにええやろ?どないしたん。めっちゃ疲れてそうやねんけど。」
「べつに…。」
まさか悩んでいる根本に来てしまわれるとは思わず、適当にあしらうしか方法が見つからなかった。
「ほんなら、なんなん?」
「………。」
「ま、言いたないんやったらそれでもええけど。」
「あ、せや、はい。」
忍足は隠していた右手から箱を出した。
「?」
跡部が、何も言えず俯いていると、頭の上に箱が置かれた。
青いリボンでラッピングされた小さな箱。
それを持っている忍足は少し照れ臭そうに、顔を背けていた。
「跡部絶対くれへんなぁ思うて俺が持ってきたんや。手作りとちゃうけど、受け取ってくれる?」
まるで意思が繋がっているような感覚。
自然と笑いが込み上げてきた。
「ありがとう。有り難く受け取っておく。」
「どういたしまして。」
チョコを貰い、忍足の手を掴む。
掴んだ手を開いて、先程の小さな箱を渡す。
「誰も渡さねぇなんて、言ってねぇよ。あーん?」
「え、ほんまに!?うわ、めっちゃ嬉しいわぁ。ありがとう、景ちゃんv」
「あっバカ!!その名前で呼ぶな!!」
「ええやんええやん!かわええから!」
「ふざけんなぁ!!」
「…激ダサだぜ。」
生徒会室の外で姿を隠して笑っている宍戸がいた。
「ところでお前、なんで俺のいるところがわかったんだ?」
先程から気になっていたことを口にする。
すると忍足は、少し笑って口を開いた。
「宍戸に教えてもろてん。」
忍足がそれを言ったあと、生徒会室の外側から物音がした。
二人がドアを開けて見ると、慌てて逃げようとする宍戸の姿。
「宍戸!!」
「げ、ばれた!!」
「ばれた、じゃねぇ!待ちやがれ!」
宍戸は追いかけて来る跡部と忍足を尻目に、満面の笑みを浮かべ、あばよ!と言ってものすごい速さで逃げて行った。
恋のキューピットはいつも突然に現れ
いつも突然に消えていく。
恋のキューッピットはあなたの隣にも
いるかもしれませんね。
end
____________________________________
偲乃様に捧げるバレンタインの小説です。
忍跡がメインなのか、宍戸がメインなのか分からなくなってしまいましたが、
今日と言う日を存分に楽しんで下さい^^
夜
2011.02.14
それくらい、貴方が好き。
dadly or psychological...
「跡部が倒れた!?」
部活が始まる前、監督に突然言われた一言で氷帝のテニス部レギュラー陣は驚きの色に包まれた。
「どういうことですか監督!!」
「跡部はこの数日、男子生徒から暴行を受けていたらしい。精神にも相当キている。お前達、跡部を守ってやってくれ。」
「跡部が…暴行…?」
「どうして……」
突然のことでよく回らない頭を動かして、今すべきことを考える。
「監督!跡部はどこですか?」
「跡部は今、保健室で休養中だ。」
「ありがとうございます!」
「行くで!」
「おう!!」
正レギュラーと準レギュラーは急いで、跡部のいる保健室へと向かった。
保健室に着いて扉を開ける。
みんなの切羽詰まったような表情に、保健の先生はいち早く気づいた。
「あぁ、跡部君ね。そこのベッドで寝てるけど、気をつけてね。」
「気をつけるって何を?」
「跡部君、体だけじゃなくて心の方にも傷を負ってる。まだ落ち着いてなくて、あなたたちのことも警戒すると思うの。」
先生の説明はとても分かりやすかった。
しかし、理解出来なかった。
「跡部君はそこの左側のベッドよ。」
先生が指したベッドは、カーテンで四方を仕切られていた。
向日がそのカーテンを開けた。
跡部はすやすやと寝息を立てて寝ている。
跡部の顔にはたくさんの傷があり、口元にはわずかに血の跡が付いていた。
「跡部…」
忍足が名前を呼ぶ。
「ん……」
跡部は少し身じろぎ、うっすらと目を開けた。
「起きたか?」
「お前ら…」
跡部の瞳には、俺達は映っていなかった。
「迷惑をかけたな。明日はちゃんと部活にも出るから、心配すんな。」
そう言って笑ってみせた。
その笑顔がとても痛々しくて、見ているのが辛かった。
「なぁ跡部、ずっと受けてたんだろ?何で俺達に言ってくれなかったんだよ。」
宍戸は、今にも泣きそうだったが、涙を我慢して優しく質問した。
「お前らに迷惑をかけたくなかった。俺のためにみんなが時間を割くのは嫌だった。ごめん。」
いつも絶対に謝ることが無い跡部が、正直に謝ったことで、すごく弱っているとみんなが確信した。
―――――――ガラッ
突然保健室の扉が開いて人が入って来た。
「遅くなってごめんね~跡部。この滝萩ノ介が来たからにはもう大丈夫!」
「萩ノ介!」
「滝!?」
「滝さん!ってそれ何?」
「あぁ、これ?跡部をいじめた張本人。」
滝は引きずってきた3人の男を床に置いた。
「こいつらに全部聞いた。辛かったね。もう大丈夫だから、安心して?」
「ありがとう…」
跡部は安心したように笑った。
「ほらほらあんた達!もうすぐ部活始まるわよ!跡部君は私が見てるから、あんた達は行きなさい。」
「はーい…。じゃあな~跡部、また明日!」
「ばいばーい。」
「ああ。」
保健の先生に怒られて渋々部活へ行った。
部長も副部長もいない部活は自主練となった。
「ねぇ、忍足?」
「なん?滝。」
「ちょっといいかな。」
「おん。」
部活の途中に滝は、忍足を連れ出し部室に戻る。
「どないしたん?」
「跡部のことなんだけど…」
「?」
「跡部ね、ああいういじめに2週間もやられてたんだって。しかも殴る蹴るの他にも、いろんなことをされたらしいの。」
「殴る蹴るでも酷いンに他にもやったんか!?」
「うん。しかも酷いんだ。忍足、君を使ったんだ。」
「俺を?」
「多分跡部は忍足には話すと思う。部活終わった後にまた行ってあげて?」
「わかった。」
滝が言った、”忍足を使った“の意味が分からなかったが、跡部が話してくれるのを信じて、滝と俺は部活に戻った。
部活は忍足が指揮を取り、終了した。
忍足は滝に言われたように保健室に向かった。
部活終了後に、職員会議が行われているために保健の先生はいなかった。
保健室で、跡部はベッドに座ったまま考え事をしているようだった。
保健室の扉を開ける。
「跡部ー、入るで。」
「…。」
反応が無い。
妙だと思い、近くに行って顔を覗きこんだ。
「景吾?」
「っ!!おしたり!?何でここに…。」
「心配やったんよ。どうや?体まだ痛む?」
「いや…でも…」
「?」
忍足は跡部の隣に座る。
跡部はそのまま話を続けた。
「ここが、ぎゅうって締め付けられるように痛むんだ。」
跡部が触れたのは心臓の辺り。
すなわち、心。
跡部は、保健室の先生が言っていたように、体の傷だけじゃなく、心にも大きな傷を負っていた。
「景吾…」
跡部の瞳は赤く、今まで泣いていたことがわかった。
優しく名前を呼んで跡部を抱きしめる。
跡部の体は震えていた。
「景ちゃんずっと堪えてきたんやね。偉いなぁ。でもな、心配かけてもええんやで?俺とお前の仲やんか。たまには俺も頼ってぇな。」
跡部が安心するように、髪を梳きながら優しく話す。
跡部は少し悲しそうに話しだした。
「あいつら、侑士のことを使って来たんだ。侑士はお前のことは本当は好きなんかじゃないのに、付き合ってやってるんだとか…」
跡部の瞳から大きな涙が零れはじめる。
「お前なん…てただのテ…ニスだけが取り柄のホモ野郎だと…かっ…」
忍足は跡部を強く強く抱きしめ、話を聞いていた。
滝が言っていた、”忍足を使った“の意味がようやく理解できた。
「景吾…俺は…」
お前が好きなんだ と言おうとしたが、遮られてしまった。
「お前を愛してくれるものは、自分自身しかいないんだって言われるし!テニスだって負ければお前もただの負け犬だって言われるしっ…。俺、もうどうしたらいいかわからねぇよ…」
跡部の手は握りすぎで爪がギチギチと鳴っている。
「景吾、よぉく聞いてな?」
強く、しかし優しく抱きしめ、口を開く。
「俺は跡部景吾が好き。今抱きしめてる景吾が好き。その気持ちは誰に何を言われても変わらん。景吾は信じてくれる?」
泣きながら、一生懸命聞いてくれている跡部の髪を撫でる。
「うん。俺、侑士が悲しむから、あいつらに手出さなかったんだよ。」
そう言って精一杯笑う跡部に、心を奪われてしまって。
「ありがとう。そんな優しい景吾が大好きやで。愛してる。」
力強く抱きしめたあとに触れるだけのキスをする。
「侑士、いたいっ」
「あぁ、すまんすまん、つい。」
「ふふ、愛してる、侑士。」
「景吾…」
お互いの名前を呼んで、今度は深く口づける。
また後で、滝に礼を言わなきゃな。
自分が傷ついている時にも、他人のことを考えられる、かわいい恋人を守ってくれたことを感謝して。
どんなに体が傷ついても、どんなに心が痛んでも、あなたを思う気持ちは変わりません。
end
______________
題名の訳は 『体の傷や心の傷よりも・・・』です。
急に弱った跡部が書きたくて。一発書きです。((汗
所々カットしてありますが、大丈夫ですよね?
甘甘でいくはずだったんだけどなぁ・・・
2011.02.03
dadly or psychological...
「跡部が倒れた!?」
部活が始まる前、監督に突然言われた一言で氷帝のテニス部レギュラー陣は驚きの色に包まれた。
「どういうことですか監督!!」
「跡部はこの数日、男子生徒から暴行を受けていたらしい。精神にも相当キている。お前達、跡部を守ってやってくれ。」
「跡部が…暴行…?」
「どうして……」
突然のことでよく回らない頭を動かして、今すべきことを考える。
「監督!跡部はどこですか?」
「跡部は今、保健室で休養中だ。」
「ありがとうございます!」
「行くで!」
「おう!!」
正レギュラーと準レギュラーは急いで、跡部のいる保健室へと向かった。
保健室に着いて扉を開ける。
みんなの切羽詰まったような表情に、保健の先生はいち早く気づいた。
「あぁ、跡部君ね。そこのベッドで寝てるけど、気をつけてね。」
「気をつけるって何を?」
「跡部君、体だけじゃなくて心の方にも傷を負ってる。まだ落ち着いてなくて、あなたたちのことも警戒すると思うの。」
先生の説明はとても分かりやすかった。
しかし、理解出来なかった。
「跡部君はそこの左側のベッドよ。」
先生が指したベッドは、カーテンで四方を仕切られていた。
向日がそのカーテンを開けた。
跡部はすやすやと寝息を立てて寝ている。
跡部の顔にはたくさんの傷があり、口元にはわずかに血の跡が付いていた。
「跡部…」
忍足が名前を呼ぶ。
「ん……」
跡部は少し身じろぎ、うっすらと目を開けた。
「起きたか?」
「お前ら…」
跡部の瞳には、俺達は映っていなかった。
「迷惑をかけたな。明日はちゃんと部活にも出るから、心配すんな。」
そう言って笑ってみせた。
その笑顔がとても痛々しくて、見ているのが辛かった。
「なぁ跡部、ずっと受けてたんだろ?何で俺達に言ってくれなかったんだよ。」
宍戸は、今にも泣きそうだったが、涙を我慢して優しく質問した。
「お前らに迷惑をかけたくなかった。俺のためにみんなが時間を割くのは嫌だった。ごめん。」
いつも絶対に謝ることが無い跡部が、正直に謝ったことで、すごく弱っているとみんなが確信した。
―――――――ガラッ
突然保健室の扉が開いて人が入って来た。
「遅くなってごめんね~跡部。この滝萩ノ介が来たからにはもう大丈夫!」
「萩ノ介!」
「滝!?」
「滝さん!ってそれ何?」
「あぁ、これ?跡部をいじめた張本人。」
滝は引きずってきた3人の男を床に置いた。
「こいつらに全部聞いた。辛かったね。もう大丈夫だから、安心して?」
「ありがとう…」
跡部は安心したように笑った。
「ほらほらあんた達!もうすぐ部活始まるわよ!跡部君は私が見てるから、あんた達は行きなさい。」
「はーい…。じゃあな~跡部、また明日!」
「ばいばーい。」
「ああ。」
保健の先生に怒られて渋々部活へ行った。
部長も副部長もいない部活は自主練となった。
「ねぇ、忍足?」
「なん?滝。」
「ちょっといいかな。」
「おん。」
部活の途中に滝は、忍足を連れ出し部室に戻る。
「どないしたん?」
「跡部のことなんだけど…」
「?」
「跡部ね、ああいういじめに2週間もやられてたんだって。しかも殴る蹴るの他にも、いろんなことをされたらしいの。」
「殴る蹴るでも酷いンに他にもやったんか!?」
「うん。しかも酷いんだ。忍足、君を使ったんだ。」
「俺を?」
「多分跡部は忍足には話すと思う。部活終わった後にまた行ってあげて?」
「わかった。」
滝が言った、”忍足を使った“の意味が分からなかったが、跡部が話してくれるのを信じて、滝と俺は部活に戻った。
部活は忍足が指揮を取り、終了した。
忍足は滝に言われたように保健室に向かった。
部活終了後に、職員会議が行われているために保健の先生はいなかった。
保健室で、跡部はベッドに座ったまま考え事をしているようだった。
保健室の扉を開ける。
「跡部ー、入るで。」
「…。」
反応が無い。
妙だと思い、近くに行って顔を覗きこんだ。
「景吾?」
「っ!!おしたり!?何でここに…。」
「心配やったんよ。どうや?体まだ痛む?」
「いや…でも…」
「?」
忍足は跡部の隣に座る。
跡部はそのまま話を続けた。
「ここが、ぎゅうって締め付けられるように痛むんだ。」
跡部が触れたのは心臓の辺り。
すなわち、心。
跡部は、保健室の先生が言っていたように、体の傷だけじゃなく、心にも大きな傷を負っていた。
「景吾…」
跡部の瞳は赤く、今まで泣いていたことがわかった。
優しく名前を呼んで跡部を抱きしめる。
跡部の体は震えていた。
「景ちゃんずっと堪えてきたんやね。偉いなぁ。でもな、心配かけてもええんやで?俺とお前の仲やんか。たまには俺も頼ってぇな。」
跡部が安心するように、髪を梳きながら優しく話す。
跡部は少し悲しそうに話しだした。
「あいつら、侑士のことを使って来たんだ。侑士はお前のことは本当は好きなんかじゃないのに、付き合ってやってるんだとか…」
跡部の瞳から大きな涙が零れはじめる。
「お前なん…てただのテ…ニスだけが取り柄のホモ野郎だと…かっ…」
忍足は跡部を強く強く抱きしめ、話を聞いていた。
滝が言っていた、”忍足を使った“の意味がようやく理解できた。
「景吾…俺は…」
お前が好きなんだ と言おうとしたが、遮られてしまった。
「お前を愛してくれるものは、自分自身しかいないんだって言われるし!テニスだって負ければお前もただの負け犬だって言われるしっ…。俺、もうどうしたらいいかわからねぇよ…」
跡部の手は握りすぎで爪がギチギチと鳴っている。
「景吾、よぉく聞いてな?」
強く、しかし優しく抱きしめ、口を開く。
「俺は跡部景吾が好き。今抱きしめてる景吾が好き。その気持ちは誰に何を言われても変わらん。景吾は信じてくれる?」
泣きながら、一生懸命聞いてくれている跡部の髪を撫でる。
「うん。俺、侑士が悲しむから、あいつらに手出さなかったんだよ。」
そう言って精一杯笑う跡部に、心を奪われてしまって。
「ありがとう。そんな優しい景吾が大好きやで。愛してる。」
力強く抱きしめたあとに触れるだけのキスをする。
「侑士、いたいっ」
「あぁ、すまんすまん、つい。」
「ふふ、愛してる、侑士。」
「景吾…」
お互いの名前を呼んで、今度は深く口づける。
また後で、滝に礼を言わなきゃな。
自分が傷ついている時にも、他人のことを考えられる、かわいい恋人を守ってくれたことを感謝して。
どんなに体が傷ついても、どんなに心が痛んでも、あなたを思う気持ちは変わりません。
end
______________
題名の訳は 『体の傷や心の傷よりも・・・』です。
急に弱った跡部が書きたくて。一発書きです。((汗
所々カットしてありますが、大丈夫ですよね?
甘甘でいくはずだったんだけどなぁ・・・
2011.02.03
「けぇちゃーんっ一緒帰ろ♪」
「あぁ。」
正月が過ぎ、寒さが本格化して、ここ最近は雪が降り続けている。
そのため、辺りは白く覆われ気温が下がっている。
「にしても寒いなぁ…。景ちゃんは大丈夫?」
「マフラーしてるから大丈夫。侑士、お前こそ大丈夫かよ?手真っ白だぜ?」
「いや、大丈夫やないなぁ…感覚無くなってきた。」
「ほら、手貸せよ。」
「?」
ギュ。
と、跡部は忍足の手を取ると、自分の手を重ねて繋いだ。
「景ちゃんの手あったかいわー。小さくてかわええ手やな。」
「うるせぇな、離すぞ!」
かわいいと言われて照れる跡部は、顔を真っ赤にして忍足を睨みつける。
そんなつもりは跡部には無いのだろうが、忍足のほうが身長が高いため、どうしても上目遣いにしか見えない。
しかしそんなことを言ってしまうと、手を離すハメになってしまうため、言わない。
「褒めとるんに。せっかく繋げたんやから離さんといて?」
跡部は真っ赤な顔をふいとそっぽ向かせた。
(照れとるのバレバレや…。めっちゃかわええ…耳まで赤いし。)
「景ちゃん耳痛ない?真っ赤やで。」
「…痛い。」
「ほな早く帰ろ。家着いたらあったかいココアいれたるわ。」
そう言うと、跡部はくるっとこっちを向いて、早く帰るぞ、と足を速めた。
さくさくと、雪が心地好い。
ふと後ろを見ると、二人の足跡がここまで続いていた。
銀世界に二人だけしかいないような錯覚さえ覚えた。
「侑士!何してんだよ。歩けねぇだろうが。」
急に立ち止まったから、跡部も気にしたのだろう。
理由はそれだけじゃないのは知っている。
「景ちゃん見てみ?後ろ。」
「後ろ?」
くるりと身体を真後ろに回転させ、忍足と同じところを見る。
流石の跡部も、息を飲んだのがわかった。
氷の世界とはまた違う、雪の優しい真っ白の世界に跡部は目を輝かした。
「すげぇ…」
「銀世界に俺達二人だけみたいやな。」
「なあ、侑士…」
「なん?」
空が晴れ、太陽が顔を出した。
跡部の姿は、雪の白さと空の蒼さのコントラストで良く映えていた。
「この雪が溶けても、俺は侑士が好きだから。桜が咲いても、葉桜になっても、葉が散っても、また雪が降っても、大好きだから。だから…侑士も、大好きでいて?」
そう言って顔を赤らめて笑う姿はまるで天使のようだったから。
見惚れてしまった。
「当たり前や。生まれ変わっても景吾のこと見つけて愛したる。
ずっと、永遠に一緒にあったかいココア飲もう?」
「うんっ。」
一筋の涙が、右目の泣きボクロを濡らした。
その涙を拭って、ホクロにキスをする。
「帰ろ、景ちゃん。」
「うん。」
自然に二人で手を出して繋ぐ。
銀世界にまた、二人の足跡を付けていった。
*
「景ちゃん。」
「ん?」
「もし俺が家買ったら、庭にいろんな桜植えよ。シクラメンや枝垂れ桜、芝桜、冬桜。一年中それぞれ違う桜見れんねんで。一緒に見よ。」
「桜だけかよ。」
「それだけやないで?景ちゃんの好きなホワイトローズや、多年草のパンジー、向日葵とかもな。
あ、景ちゃんの好きなイチゴも植えたるわ。」
「庭、広くないとな。」
「将来は医者やで?それなりの家は買えるやろ。」
「あぁ、楽しみにしてる。」
あなたの大好きなものは
すべて大好きだから、
だからあなたも僕を、
大好きでいて。
___________________
今回も甘いものをご用意。
今年は甘いものを書くことに専念します。
目指すはバカップルまで!←
忍足はウザく出来るんですけど跡部がどうしても
乙女から、またはツンデレから抜け出せないです。
今年も宜しくお願いしますm(_ _)m
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